7月2日未明から生じたau通信障害は丸一日待っても原因不明のままで、復旧の見通しが立ちませんでした。
翌日7月3日にはKDDI社長の高橋誠氏が記者会見を開き、「多大なご迷惑をお掛けし、深くおわび申し上げる」と陳謝しました。
この会見ではユーザーに対する補償についても質問がでたとのこと。
この記事では次のことを紹介していきます。
- au通信障害の損害補償はどうなる?
- 返金方法と時期について
au通信障害の損害補償はどうなる?
結論から言いますと、7月3日現在はまだ損害補償についてはまだ発表されていません。
今回の記者会見で、KDDI高橋社長は次のように語っていました。
「一律に補償するか、まだ回答を持っていない。今回の障害の内容をもう少し見た上で検証していくとお客さまに回答している」
7月3日現在もまだ東日本ではau通信障害が復旧していないので、損害賠償の内容については、通信を使えない時間も考慮して今後発表されるものとみています。
なお2013年4月27日から合計3回、多摩市唐木田のTEL基地局制装置の故障の影響で東京都、神奈川県、山梨県の一部でデータ通信サービスが利用できない障害をおこしました。
この事象を受けてKDDIは、6月10日に「対象者に一律700円返金」することを明らかにしました。
今回の通信障害も完全に復旧されてから、何らかの返金方法が提示されると考えます。
【ノーカット】大規模通信障害受け KDDI・高橋誠社長会見はこちらです。
返金方法と時期について
返金方法については「月々の請求代金との相殺」が考えられ、実施時期は8月ごろと予想します。
2013年4~5月に起きた通信障害では、対象者に対して一律700円を7月以降の請求額から差し引くこととなりました。
このときの返金までの流れを簡単にまとめました。
- 4月27日、5月29日、5月30日に通信障害
- 6月10日にKDDIが一律700円返金を発表
- 6月末「重要なお知らせ」として対象者に連絡
- 7月以降、請求額から700円を差し引く
この流れを参考にすると、au通信障害が完全に復旧後、1週間以内には返金額の発表があると考えます。
7月末には対象者に向けて「重要なお知らせ」をお知らせして、準備が整い次第8月から請求額から差し引く手順で進められそうです。
このとき返金額の料金は「基本使用料、ISP利用料、LTEパケット定額料の3日分に相当する料金」とのこと。
2013年当時の返金額をみると、今回の返金額もそれほど高額というわけではなさそうです。
au通信障害の損害補償の対象者は?
au通信障害の損害補償と返金の対象者はまだ発表されていませんが、公式アカウントに掲載されている対象者が該当するものと考えられます。
本日01時35分より当社の通信サービスがご利用しづらい状況が発生しております。
現在、復旧作業に努めておりますが、現時点で判明している原因/影響について情報更新いたしました。
お客さまには多大なご迷惑をおかけしますことを深くお詫び申し上げます。https://t.co/lnzzxzF8G2— KDDI広報部 (@kddipr) July 2, 2022
発表された内容を簡単にまとめました。
【対象サービス】au携帯電話、UQ mobile携帯電話、povo、au回線利用事業者
【影響エリア】全国
過去の例をみると、対象者に対しては後日あらためてメール等で連絡があるものと思われます。
DDIカスタマーセンターも電話が繋がりにくく、auショップは長蛇の列とのことなので、正式な発表はKDDI広報部の発表を待つのがいいようです。
auショップに行列してる おじさん おばさんは何がしたいのだろう。通信障害の件で並んだところで業務の邪魔にしかならんだろうに。それとも解約ですか🤷♂️
— hiro_b (@hiro_b_tokio) July 3, 2022
auショップでは駆けつけて怒っている客が多いとのSNSを多くみかけましたが、通信の復旧まで待つ以外はありません。
au通信障害に対する企業への補償と返金は
一般ユーザーの返金については基本料金などを日割りした計算で、返金額が決まると予想します。
しかし企業に対しての損害補償と返金額については、大きな金額になるかもしれません。
今回のau通信障害で、サービスが繋がりにくくなったり使えなくなった企業一覧はこちら。
- au
- UQモバイル
- povo(ポヴォ)
- 楽天モバイル
- mineo(マイネオ)
KDDIカスタマーサービスへの電話が多かったので、各社への問い合わせは多かったに違いありません。
また通信業界だけではなく、KDDI回線を業務利用する気象庁やヤマト運輸などの企業にも及びました。
企業への支障内容はこちらです。
- 地域気象観測システム(アメダス)のデータ通信にも支障が生じた
- 日本航空では、成田空港や羽田空港などでスタッフ用の無線機が使用できなくなった
- ヤマト運輸ではホームページ上で荷物の最新の配送情報が更新されなくなった
- 岐阜県の地方銀行、大垣共立銀行では、店舗外にある現金自動預払機(ATM)の一部が利用できくなった
au通信障害の損害補償に関する約款
auでは損害賠償に関して、「au(LTE)通信サービス契約約款」で定めています。
第 11 章 損害賠償
(責任の制限)
第 74 条 当社は、au(LTE)通信サービスを提供すべき場合において、当社の責めに帰
すべき理由によりその提供をしなかったとき(その原因が協定事業者の責めに帰すべき理
由による接続専用回線の障害であるときを含みます。)は、そのau(LTE)通信サービ
スが全く利用できない状態(その契約に係る電気通信設備によるすべての通信に著しい支
障が生じ、全く利用できない状態と同程度の状態となる場合を含みます。以下この条にお
いて同じとします。)にあることを当社が認知した時刻から起算して、24 時間以上その状態
が連続したときに限り、その契約者(LTEデータプリペイド契約者(沖縄セルラー電話
株式会社との間でLTEデータプリペイド契約に相当する契約を締結しているローミング
契約者を含みます。以下この条において同じとします。)を除きます。)の損害を賠償します。
引用 au(LTE)通信サービス契約約款
簡単にまとめると、次のような状態のときに契約者の損害を賠償するとのこと。
- au(LTE)通信サービスが全く利用できない状態
- 全く利用できない状態と同程度の状態
- 24時間以上その状態が連続したとき
今回のau通信障害は3つのいずれの状態にあてはまるとみられて、高橋誠社長も補償について前向きに発言したものと考えます。
まとめ
au通信障害に対する損害賠償と返金方法などに関してのまとめ。
- 損害賠償についてはまだ発表されていない(7月3日現在)
- 返金方法は請求額から差し引く形が考えられる
- 返金の料金については基本料金などから算出

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